秘密証書遺言の概要とルール

内容を秘密にしたまま、遺言の存在だけを証明してもらうというのが、秘密証書遺言の概要です。遺言する人が自分で遺言書を作成し、公証人に持ってゆきます。遺言書にある内容は秘密のままですが、「遺言書がある」ということは公証人が証明してくれるというものです。この時の遺言書の書式などのルールは、あまり厳密ではありません。もちろん遺言書としての要件を満たすことは必要ですが、パソコンを使っていても、代筆であったとしても、自分自身で署名押印を行なっていれば有効です。この遺言書を持って二人ないしはそれ以上の証人を連れ、公証役場に提出します。証人は未成年でなく、「推定相続人や受遺者、その配偶者や直系血族」「公証人の配偶者や四親等内の親族、書記及び雇い人」であってはなりません。要するに遺言する人物の身内などは、第三者的な立場を保つことが困難とされ、証人になれないのです。秘密証書遺言には遺言書の要件を満たしていれば、その他の厳密なルールはないとしましたが、証人が「証人としての資格がなかった人が行った」などの問題が後から露見してしまえば、秘密証書遺言として成り立たないといったことも起こりえます。その場合も考慮し、自筆証書遺言としても有効な条件を満たした書式で自筆の遺言書を作成するのが賢明です。秘密保持のため、遺言書を封筒などに入れて封をし、遺言書の押印と同じ印鑑を用いて封印を行います。公証役場では、公証人と証人の前でその封書を提出します。この時に自分自身の遺言である旨とその筆者の住所氏名などを申し述べます。それを受けた公証人はその封書に「遺言者自らの遺言書である」という旨や提出日などを記入してくれます。提出者である遺言者は証人と一緒に、その封紙に署名と押印を行います。これで秘密証書遺言が作成されました。これは自らが保管しなければなりませんので、紛失や隠匿の可能性がないとは限りません。遺言書の偽造や変造の心配は極力ありませんが、紛失してしまったのでは意味がありません。その点は注意が必要です。また執行の時には家庭裁判所の検認手続が必要ですので、相続人が行う手続きが少々煩雑になります。
>>>不動産の相続について